スコープ
電話のユニバーサルアクセス―米国のテレホンリレーサービス
伊藤 英一
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.979-981
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109340
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はじめに
国内における携帯電話の普及には目覚しいものがある.音声による会話以上に,電子メールをはじめとする各種データ通信端末としての利用率も高い.受話器を把持できない高位頸髄損傷者でも,マウススティックを用いて携帯電話を利用する.公衆電話の位置がわからない視覚障害者でも,携帯電話を利用すればいつでも連絡可能である.聴覚障害者はメール機能を利用することにより,健聴者とのコミュニケーションが図れる.しかし,一般的な電話(音声通話)は聴覚障害者にとって大きな障壁であることに間違いはない.
アメリカには文字電話システム(Tele-Type;TTY),もしくは聴覚障害者用通話装置(Telecommunications Device for the Deaf;TDD)という聴覚障害者のための電話システムがある.TTYやTDDは一般的にキーボードとディスプレイ画面から構成されており,キーボードから入力した文字が双方のディスプレイ画面に出力され,これを相互に連続させることによってコミュニケーションを図るものである.しかし,通話者の双方にTTY/TDDのシステムが必要であり,一般の電話機やファクシミリにかけても通話できない.
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