Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
杜甫の『詠懐五百字』―苦悩の社会化
高橋 正雄
1
1筑波大学心身障害学系
pp.303
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109196
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天宝14年(西暦755年),杜甫44歳の時の作品『自京赴奉先県詠懐,五百字』(『京自り奉先県に赴くときの詠懐,五百字』,黒川洋一訳,岩波文庫)は,ようやく官途に就いて,疎開先の妻子を尋ねた時の感慨を詠んだ長詩である.杜甫は,長い浪人生活の果てに,右衛率府の冑曹参軍という微禄を得て,長安の北東100キロの奉先県に預けていた妻子のもとへと向かうのである.
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