書評
Ida Bromley 著 荻原新八郎 訳―四肢麻痺と対麻痺第2版 Tetraplegia and Paraplegia, 5th-A Guide for Physiotherapists
高橋 正明
1
1昭和大学医療短期大学理学療法学科
pp.256
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109185
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アイダ・ブロムリ著の「四肢麻痺と対麻痺」第5版が翻訳され,医学書院から出版された.訳者は初版(原著第3版)と同じく荻原新八郎先生である.内容は脊髄損傷に関係する生理学,急性期の理学療法からリハビリテーションまで網羅され,初版と基本的な流れは同じであるが,新たに,上肢の機能的電気刺激,姿勢と座席適合,C1,2レベルの超上位損傷者の治療,および脊髄損傷者の老化による諸問題が取り上げられた.また章立てや項目立てにより吟味し工夫した様子がうかがえる.例えば「自己介護」の項目が「個人的自立」へ,「マット上動作」が「基本的実用動作」へと変更されているように患者主体の視点が明確に打ち出されているのである.そして何よりも嬉しいのは,第3版に比べ一つ一つの説明がとても丁寧になされていることである.
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