書評
―Ida Bromley(著)/荻原新八郎(訳)―四肢麻痺と対麻痺(第2版)
高橋 正明
1
1昭和大学医療短期大学理学療法学科
pp.211
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105516
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アイダ・プロムリ著の「四肢麻痺と対麻痺」第5版が翻訳され,医学書院から出版された.訳者は初版(原著第3版)と同じく荻原新八郎先生である.内容は脊髄損傷に関係する生理学,急性期の理学療法からリハビリテーションまで網羅され,初版と基本的な流れは同じであるが,新たに,上肢の機能的電気刺激,姿勢と座席適合,C1,2レベルの超上位損傷者の治療,および脊髄損傷者の老化による諸問題が取り上げられた.また,章立てや項目立てにより吟味し工夫した様子がうかがえる.例えば「自己介護」の項目が「個人的自立」へ,「マット上動作」が「基本的実用動作」へと変更されているように,患者主体の視点が明確に打ち出されているのである.そして何よりも嬉しいのが,第3版に比べ1つひとつの説明がとても丁寧になされていることである.
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