Japanese
English
症例報告
頭蓋咽頭腫術後に認知機能障害を生じた若年例に対する就労支援
Facilitating the social participation for the cognitive dysfunctions following craniopharyngioma.
土井(後藤) あかね
1,2
,
浦上 裕子
1
,
飛松 好子
1
,
赤居 正美
1
Akane Doi-Goto
1,2
,
Yuko Urakami
1
,
Yoshiko Tobimatsu
1
,
Masami Akai
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院
2国立病院機構鳥取医療センター
1National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
2Tottori Medical Center
キーワード:
頭蓋咽頭腫
,
記憶障害
,
就労
Keyword:
頭蓋咽頭腫
,
記憶障害
,
就労
pp.1555-1559
発行日 2012年12月10日
Published Date 2012/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108854
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はじめに
頭蓋咽頭腫は鞍内-鞍上部に発生する良性腫瘍であるが,マイクロサージャリー・放射線療法・化学療法などの影響を受ける1)ため,術後の予後や認知機能障害は一定ではない.小児・思春期発症の頭蓋咽頭腫の好発年齢は5~15歳前後である.術後に日常生活を行ううえでの認知や記憶に問題が生じることがある2)が,報告例は少ない.
今回われわれは,11歳時に頭蓋咽頭腫を発症した女児で,17歳の時点で学校や日常生活に適応上の支障を来した例を経験した.日常生活の行動評価や神経心理学的検査の結果から,感情をコントロールできない,不安が強く対人関係を築けないなどの適応上の問題が,記憶や注意,遂行機能などの障害が原因であると診断した.代償手段の指導や環境調整を行った結果,就労が可能となった.頭蓋咽頭腫術後の認知機能障害の診断と支援の必要性について報告する.
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