Japanese
English
特集 リハビリテーション医学の基礎―体力
加齢と体力の変化
Aging and Physical Fitness
丸山 仁司
1
Hitoshi Maruyama
1
1国際医療福祉大学理学療法学科
1Department of Physical Therapy, International University of Health and Welfare
キーワード:
加齢
,
体力
,
全身持久力
,
筋力
Keyword:
加齢
,
体力
,
全身持久力
,
筋力
pp.413-418
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108654
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はじめに
加齢変化とは授精から死までの生体の変化すべてをいい,老化とは成熟期以後の生体の変化である.加齢の基本的現象として,1)予備力の低下,2)反応の鈍化,3)回復の遅延,4)再生能力の減退がある.
加齢を研究するには,縦断研究,横断研究,時間差研究がある.加齢のような時間要因に関係する指標を測定した場合,結果を解釈するうえで,加齢効果,コホート効果,時代効果の混同がみられることがある.
コホート効果は同一期間内での経験した集団を対象としている.代表的なものとして,出生コホート,結婚コホートがあり,世代差も1つのコホートである.時代効果は測定時期の相違による差である.横断研究では加齢効果とコホート効果を,縦断研究では加齢効果と時代効果を,時間差研究ではコホート効果と時代効果をそれぞれ判別することができない.よって,加齢変化をみる場合は,3つの研究法を組み合わせることが必要である.
体力は,形態要素,運動学的要素,呼吸循環要素があり,加齢と体力変化の分野は広い.ここでは,体力の要素である全身持久力を中心に,加齢,特に老化について述べる.
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