Japanese
English
特集 内科疾患と運動療法
高血圧
Physical Training in Essential Hypertension.
野村 岳而
1,2
Gakuji Nomura
1,2
1金沢市立病院
2久留米大学
1Kanazawa Municipal Hospital
キーワード:
等張性運動
,
運動の継続
,
他の療法との併用
Keyword:
等張性運動
,
運動の継続
,
他の療法との併用
pp.111-115
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108299
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はじめに
本態性高血圧に対する運動療法の有用性は広く認められ,食塩制限,体重コントロール,禁煙,節酒等と共に,薬物療法の開始に先立って行うべきであるとされている1).本邦でも1995年より高血圧患者に対する運動療法が保険診療の対象として認可された.
運動療法は単に安静時の血圧を下げるに止まらず,労作や精神的緊張時の血圧上昇を抑え,圧反射機能を改善して,高血圧患者に見られる大きな日内血圧変動幅を改善する.日中の降圧効果は明らかであるが,本来あまり高くない夜間の血圧は有意に降圧しない.二重積(収縮期血圧×脈拍数)は日中はもちろん夜間にも低下する.また,運動療法は降圧効果に止まらずインスリン抵抗性の改善,レニンーアンギオテンシン系の抑制,交感神経系の抑制等の効果も認められる2,3).これらの点については既に度々述べたことがあるので,本稿では本態性高血圧患者に対して運動療法を行ううえでの実際的な問題点について述べたい.
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