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はじめに
国立身体障害者リハビリテーションセンター(以下,国リハセンターと略す)は,昭和40年代前半に厚生省の身体障害者福祉審議会から厚生大臣に対して行われた国立リハビリテーションセンター設置に関する答申と,それを受け設置された「国立リハビリテーションセンター設置に関するマスタープラン検討委員会」の報告に基づき,1979年(昭和54年)7月に発足した.在京の国立3施設(国立身体障害センター,国立聴力言語障害センター,国立東京視力障害センター)を統合し,わが国の身体障害者の社会復帰を促進するためのモデル機関として,逐次必要な機能を附置することとして設置された施設である.
センター設置の目的は,
1)身体障害者に対する医療から職業訓練まで一貫したリハビリテーションの実施
2)身体障害者のリハビリテーション技術の研究開発
3)身体障害者リハビリテーションに従事する専門職員の養成および研修
4)国内外の身体障害者のリハビリテーションに関する情報,資料の収集および提供などで,それらの実現に向かって,医療部門,研究部門,養成研修部門と逐年的に整備が進められた.また,センター設置2年後の1981年に国際障害者年を迎え,障害者リハビリテーションの国際協力もセンターの主要目的の一つとし,国際協力にも努めており,昨年5月にはWHOの「障害予防とリハビリテーション」に関する指定研究協力センターに認定されている.
国リハセンターは更生訓練所,病院,研究所,学院および管理部門から構成され,さらに同一キャンパス内に国立職業リハビリテーションセンター(以下,職リハセンターと略す)が同時期から開設されている.このため国リハセンター入所者は,医療から職業訓練まで幅広いサービスを受けることができる.
国リハセンターは,開設以後平成5年度末までに更生訓練所(定員540名)では3,695名の身体障害者を受け入れ,3,396名(91.9%)が社会に復帰し,病院(200床)では6,127名の入院患者を治療している.(註:昭和54~55年:20床,昭和55~56年:50床,昭和56年~平成4年:100床,平成4年~6年:150床,平成7年:200床)また学院では養成5課程(定員160名)と17種の短期研修(約600名/年)を実施している.
今回の「医療・社会・職業リハビリテーションの各領域の連携など一貫性のあるリハビリテーションを指向するうえでの問題点と提言を」という執筆依頼に対して,センター更生訓練所の一般リハビリテーション課程で実施してきた社会復帰訓練の状況について報告し,責を果たしたいと思う.
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