学会報告
第79回関東地方リハビリテーション医学懇話会―1994年12月3日(土),於:順天堂大学有山記念館講堂
上田 敏
1
1帝京大学医学部附属市原病院リハビリテーション科
pp.921-923
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107969
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.視床出血による記銘力障害を呈した1症例
帝京大学リハビリテーション科
中村ひろみ・丸野紀子・藤巻滋・栢森良二・三上真弘
症例:56歳,男性.主訴:意識障害.既往歴:平成6年7月19日,脳出血発症.意識障害が認められたが4週後回復し,歩行可能となるが,記憶障害,発動性低下が見られ当院リハビリテーション科受診し,精査にて入院となる.頭部MRIで左側視床前内側部に限局した高信号域(T2),脳波では1t.centroparietalにθ波,SPECTでは左側頭葉から前頭葉にかけて脳血流の低下を認めた.頭部MRIでは異常が見られなかった前頭葉から側頭葉にかけて脳血流の低下がみられたことは,視床核の器質的病変により,その投射部位にも機能的な障害が生じることを表していた.本症例に対し行動療法を中心に治療を行っているが,今のところ効果は見られていない.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.