一頁講座 神経学的検査
4.胸郭出口症候群の誘発テストの手技と意義
曽我 恭一
1
1古賀整形外科
キーワード:
胸郭出口症候群
,
腕神経叢
,
鎖骨下動脈
,
誘発テスト
Keyword:
胸郭出口症候群
,
腕神経叢
,
鎖骨下動脈
,
誘発テスト
pp.347
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107844
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Morley test
手技:鎖骨上窩の胸鎖乳突筋後縁部に検者の指腹を当て,軽く圧迫を加え,被検者に深吸気をさせると,深部より前斜角筋が緊張して硬く触れてくるのを感じとることができる.この前斜角筋の第一肋骨付着部近くを圧迫し,その際に頸部から上肢にかけての自覚症状が再現ないし増悪するかを聴取する.
意義:普通では前斜角筋を圧迫しても,頸部から上肢への疼痛は生じないが,胸郭出口症候群では斜角筋三角内において腕神経叢の圧迫性神経炎などが存在し,斜角筋群もスパズムを起こして,その周辺は過敏状態となっていると考えられる.したがって,前斜角筋の圧迫により自覚症状が再現され易くなっている.このような状態は他に,頸椎疾患やいわゆる頸肩腕症候群,また肺尖部疾患においても存在し,このテストが陽性に出ることが少なくない.
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