特集 頭頸部および肩凝りに対する理学療法
胸郭出口症候群に対する理学療法
工藤 慎太郎
1,2
,
上岡 裕明
1,3
,
颯田 季央
4
,
佐藤 貴徳
5
,
三津橋 佳奈
6
Shintaro Kudo
1,2
1森ノ宮医療大学保健医療学部理学療法学科
2森ノ宮医療大学卒後教育センター
3公益財団法人昭和会今給黎総合病院リハビリテーション部
4合同会社TRY & TRI
5国際医学技術専門学校理学療法学科
6伊東整形外科リハビリテーション科
キーワード:
胸郭出口症候群
,
腕神経叢
,
誘発テスト
,
IST muscles
,
斜角筋
Keyword:
胸郭出口症候群
,
腕神経叢
,
誘発テスト
,
IST muscles
,
斜角筋
pp.419-425
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200200
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はじめに
胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome:TOS)は,頸部から上肢にかけて疼痛やしびれ,だるさといった上肢の症状や手指の血管運動障害などを呈する絞扼性神経障害である.日常の臨床で,TOSと診断された症例に遭遇することは頻度が高いものではないかもしれない.しかし,TOSの症状を解剖学的に紐解くことで,他の診断名がついた症例における頸から肩にかけての鈍痛や手指の知覚異常がTOSと同じような原因で出現している症例がいることに気づく.われわれはこのような症例をTOS様症状として,治療にあたっている.そこで本稿では,TOSおよびTOS様症状の原因を解剖学的に説明し,その評価と運動療法を解説する.
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