気になる言葉

　最近気になる言葉がいくつかある．その一つが「リハビリ」という言葉である．当然「リハビリテーション」の略であるが，使われ方が気になるのである．

　わが国ではRehabilitationの的確な訳語が作られないまま「リハビリテーション」の語が定着した．ところが，日本では往々にして外国語を勝手に略してしまう傾向があり，時には無用の混乱を起こしたりする．「リハビリテーション」も「リハ」と略されたり「リハビリ」と言われたりしているのであるが，まずはその音韻が耳に障るのである．日本語の中でおよそ語尾に「ビリ」が附く語で好ましい内容を持った語は皆無と言って良い．リハビリテーションはその語源からして「権利・資格・名誉の回復」を意味するもので，語尾の「ビリ」の音韻はどうもその内容に似つかわしくなく感じるのは私一人であろうか．