学会報告
第72回関東地方リハビリテーション医学懇話会―1993年2月13日(土),於:東海大学校友会館(霞ヶ関)
村上 恵一
1
1東海大学医学部リハビリテーション学教室
pp.894-896
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107474
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1. Rett Syndrome児の注意力持続へのアプローチ(第1報)―stereotypic hand movementに対するhand splintの―考察
東海大学医学部リハビリテーション学教室 日原信彦・石田暉・村上恵一
東京逓信病院小児科 大久保さつき
瀬川小児神経学クリニック 野村芳子
Rett Syndromeは,特異なstereotypic hand movementを呈し,女児のみに発症する進行性中枢神経系変性疾患であり,合目的な手指動作と遊戯などへの集中や周囲への関心の障害が認められる.今回,われわれは1例のRett Syndromeの女児(4歳,stage II)に対して,上記症状改善のために,hand splintによるstereotypic hand movementの抑制を試みた,その結果,stereotypic hand movementは減少し手指の有用性ならびに遊戯や周囲への関心が改善した.Rett Syndromeに対するhand splint使用の報告例には,その効果発現にstageによる偏りが認められ,自験例も含めその抑制効果とstageとの間になんらかの関連があるのではないかと考察した.今後症例を重ね,stageとの関連について熟考し,さらに注意力に対する装具療法の有効性と抑制効果の根拠について,他の装具療法も含めて検討していく予定である.
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