学会報告
第2回中部(東海)リハビリテーション医学会―1992年9月5日(土),於・エーザイ(株)名古屋支店
土肥 信之
1
1藤田保健衛生大学リハビリテーション医学教室
pp.343-347
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107347
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.脳卒中患者の歩行時の床反力と日常生活の関係
藤田保健衛生大学リハビリテーション科
内田伸・土肥信之・梶原敏夫
鷲見信清・小竹伴照・古橋健彦
岸具弘・馬場尊・楠戸正子
脳卒中患者にとって歩行は重要な関心事であるが,歩行能力と総合的な日常生活活動(ADL)が必ずしも結びつくとは限らない.今回床反力パターンとADLの総合的能力をみることを目的とし,脳卒中片麻痺患者20名(脳梗塞13例,脳出血6例.くも膜下出血1例)ですべて自立歩行が可能な者を対象にして,脳卒中患者の歩行の床反力計分析の結果とADLの関連について検討した.その結果,側方方向の分力%(Fx)は,stageが小さいほど大きく,前後分力%(Fy)はⅥで高値を示し,制動およびふみきり機能の向上が示された.U検定の結果,抜重と全荷重で有意差を認め,ADLとの関係で10m歩行速度と抜重時間で相関があった.今回,側方動揺性の指標であるFx,制動と加速と関連するFyとは,そのまま直線的な関連は認めなかったが,抜重や加重に要する時間と歩行速度が関連したことは歩行分析をADLに結びつける基礎データとなると思われる.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.