学会報告
第4回中部リハビリテーション医学会―1994年9月17日(土),於:エーザイ株式会社名古屋支店
中島 昭夫
1
1中部労災病院リハビリテーション科
pp.1101-1104
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108007
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1.失調型脳性麻痺の病型と病因の検討
愛知県立第一青い鳥学園 赤木滋・岡川敏郎
脳性麻痺の分類の中で失調型とされるものは非進行性失調症候群という概念で表現され,それは大きな2つの臨床型に分類される.先天性小脳性失調症と失平衡症候群の2型であり,さらにそれらは痙性の有無により分類される.小脳症状を主とする先天性の非進行性失調症の3例について,周産期異常の有無,運動発達,言語発達,失調症状,知能および神経学的所見と,CTやMRIによる検査所見などから,病型および病因について検討した.2例は先天性小脳性失調症であり,1例は両下肢に痙性を有する失平衡症候群で知的にも言語の面でも発達が大きく障害されている.3例とも家族歴,出生歴に特には異常がなく,中枢神経感染症の既応もない.病因としては胎生期の小脳の形成異常や循環障害等が考えられるが,鑑別疾患として変性疾患を全く否定することはできず,長期にわたる経過の観察と詳細な検討の余地が残されている.
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