Japanese
English
特集 骨代謝の基礎医学とリハビリテーション
骨代謝のメカニズム
Mechanism of Bone Metabolism.
永田 直一
1
Naokazu Nagata
1
1防衛医科大学校第3内科
1The Third Department of Internal Medicine, National Defense Medical College
キーワード:
リモデリング
,
骨芽細胞
,
破骨細胞
Keyword:
リモデリング
,
骨芽細胞
,
破骨細胞
pp.7-13
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107265
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はじめに
成長後の骨にも生体の支持器官としての骨の機能に重要な微細な損傷の修復や,血清Caの恒常性維持に関係するとみられるリモデリング(骨改築)といわれる代謝がみられる.これは破骨細胞による骨吸収に引き続いた骨形成という過程よりなり,皮質骨,海綿状骨の骨髄腔側の骨表面および皮質骨内で起こり,ヒトの海綿状骨の約20%は1年で改築されているとされる(図1)1).血清Ca恒常性維持にこの吸収一形成の均衡の変化による骨からのネットのCaの流出あるいは流入の変化が寄与すると説明されることが多いが,果たして直接この過程にそうした機能が与えられているのか,あるいはまだ実証されていないが骨内部のオステオサイトー骨表面の静止状態の骨芽細胞の系がこれにあたるか明らかではない.もし後者が直接の血清Ca恒常性維持機構であるとしてもおそらくは容易に動員されうる新鮮な骨組織が絶えずリモデリングによって供給されているということは重要であるとみられる.本稿では研究の進んでいるリモデリングについて概説したい.
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