巻頭言
脳卒中リハビリテーションにおける国立療養所の役割は?
里宇 明元
1
1国立療養所東埼玉病院リハビリテーション科
pp.1029
発行日 1992年10月10日
Published Date 1992/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107203
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筆者は現在一国立療養所において脳卒中,神経筋疾患,小児疾患などのリハビリテーションに携わっている.他の疾患については政策医療として国立療養所の役割が位置づけられているのに対し,脳卒中に関しては国立療養所全体の脳卒中病床が3,500床以上ある割にはその役割が今ひとつはっきりしない.統廃合が既定方針とされる中で国立療養所をとりまく環境は厳しく,近隣の病院が多くのスタッフを有し,積極的なリハビリテーションを展開していくのを横目で見ながら,限られたスタッフとともに毎日悪戦苦闘しているのが現状である.近年は早期リハビリテーションと在宅ケアを重視する方向にあるが,早期,回復期,維持期を結ぶシステムが医療,福祉を含めて十分機能しているというにはほど遠い.その中でわれわれはどのような役割を果たすべきか悩むところである.
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