Japanese
English
実践講座 義肢をめぐる最近の進歩(2)
股・膝義足
Hip Disarticulation Prosthesis and Knee Disarticulation Prosthesis.
川村 次郎
1
Jiro Kawamura
1
1大阪労災病院リハビリテーション診療科
1Department of Physical Medicine and Rehabilitation, Osaka Rosai Hospital
キーワード:
股義足
,
膝義足
,
最近の進歩
,
処方方針
Keyword:
股義足
,
膝義足
,
最近の進歩
,
処方方針
pp.711-715
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107141
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はじめに
股義足と膝義足の共通点は,どちらも体重が断端で支持され(断端支持),症例数が多くない(大腿義足や下腿義足にくらべて)ことであろう.股・膝義足はソケットの下端で体重支持が行え,ソケットの上部で体重を支持する必要がないので,大腿義足や下腿義足と比べるとソケットの適合は容易であるが,さらに機能性に優れ,切断者の快適性や外見が改善されたソケットが開発されている.また最近の骨格構造の進歩は,とくに股・膝義足の改善に役立ち,公費支給制度の整備が加わって,機能的にも外見的にも高いレベルの処方が可能になっている.
悪性腫瘍を原因とすることの多い股離断は,新しい切断例が少なくなっている.一方,膝離断の機能的な有利さ(大腿切断とくらべて)がよく認識されるようになり,従来の膝義足の弱点も技術の進歩によって大幅に改善されたので,新しい膝離断例は増加の傾向にある.
本稿では最近の進歩をふまえて,現時点における標準的な股・膝義足の処方方針とその特徴について説明する.
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