Japanese
English
講座 リハビリテーション医に必要な脳・脊髄のMRIの知識
1.MRIの原理と基礎
MRI Information of Central Nervous System for Rehabilitation Doctors: 1. Basic Principles of MRI.
大場 洋
1
,
荒木 力
2
Hiroshi Ohba
1
,
Tsutomu Araki
2
1山梨医科大学放射線科
2東京大学医学部放射線部
1Department of Radiology, Yamanashi Medical College
2Department of Radiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
核磁気共鳴(NMR)
,
磁気共鳴映像法(MRI)
,
緩和時間
Keyword:
核磁気共鳴(NMR)
,
磁気共鳴映像法(MRI)
,
緩和時間
pp.55-61
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106989
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
磁気共鳴映像法(magnetic resonanse imaging,以下MRI)の画像診断における有用性は,十分臨床の場で理解されてきた.特に中枢神経疾患の診断には不可欠な検査となっている.このような新しい診断手段を有効に使いこなすために,我々はどのような知識が必要なのであろうか.MRIでは,矢状断像,冠状断像など今まであまり馴染みのなかった断層像が得られる.これらに十分対応できる解剖学的知識が必要である.また,従来の画像診断では検出することが困難であった疾患(神経疾患や代謝疾患,例えば脊髄の多発性硬化症)や現象(myelination,脳内鉄沈着異常など)をMRIでとらえることが可能となった.これらに対応するだけの,疾患に対する広い知識,神経内科的な知識が必要である.さらに,MRIの詳細な原理を理解する必要はないが,基本的な知識は,MRI画像の解釈に役立っと思われる.
本稿では,MRIによる診断に必要な基礎的事項として,核磁気共鳴(nuclear magnetic resonanse;以下NMR)の原理,緩和のメカニズムとMRIの撮像法の原理について概説する.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.