ベッドとその周辺機器

Topics about Technical Aid for People with Disabilities: Bed and Bedside Instruments.

はじめに

　日本では昔から畳の生活であり，ベッドの生活には未だ慣れ親しむまでには至っていない．しかし，西欧でもベッドが一般化してからはまだ200年にしかならないようである²⁾．

　ベッドは健常人にとってはいうまでもなく人生の3分の1の時間を過ごす生活用具としての寝具の一つであるが，とりわけ障害や疾病をもつ者や寝たきりの高齢者にとっては，寝具としてのみならず治療や療養を行うための用具であり，かつ布団に比べて湿気や汚れがつきにくく衛生的な用具であり，また介護の面からも有用な用具の一つである．

　本稿ではこのようなベッドとベッドの周辺機器における最近の動向および福祉制度について述べる．今後は家庭，家屋環境あるいは介護者の質的・量的な問題や高齢化の問題によって，従来の布団の生活からベッドでの生活への必要性は高まるものと考えられる．