一頁講座 リハビリテーション関連用語集(9)
言語とことば
大川 嗣雄
1
1横浜市立大学医学部リハビリテーション科
キーワード:
言語
,
ことば
Keyword:
言語
,
ことば
pp.931
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106910
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与えられたテーマは「言語とことば」である.この大きなテーマに対しての立場として,リハビリテーション医で,“ことば”に少なからぬ興味を持っている一医師であることをまず明らかにしておきたい.
秋元波留夫はブレインの名著「失語症」(原題Brain L: Speech Disorders―Aphasia,apraxia and agnosia,2nd ed,Butterworth,1965)の訳者序1)の中で,「翻訳で困ったことは少なくないが,その一つにlanguageとspeechの訳語がある.英語では両者は異なっており,前者は話し言葉と文字言葉の双方を含めたものだが,後者は話し言葉を意味する.著者は両者を区別して用いているが,この区別は日本語では存在しない.言語も言葉も同じ意味である.speachを一々話し言葉とすると煩雑になるので,私たちは両者を区別しないで言語と訳すことにした」と述べている.
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