編集後記

　今年の梅雨は，少なくとも東京では長く続いたが，涼しく，しのぎやすかった．雨も，多くの場台は夜中に集中的に降って，朝になるとだんだんに晴れてくるという，具合のいい雨が多かった．しかし，本号がお手もとに届く頃には，暑い真夏となっていることであろう．夏はやはり海や山で伸び伸びと過ごし，日頃の廃用を回復させていただきたい．

　ということで，今月は廃用症候群の特集である．趣旨は「特集にあたって」で述べたので繰り返さないが，廃用はリハビリテーション医学にとって古くて新しい問題であり，今や改めて見直されようとしているのは御存知のとおりである．今回は「廃用症候群へのアプローチ」ということで，治療やリハビリテーションを含めて御執筆いただいた．大川には廃用性筋萎縮，林氏には廃用性骨萎縮，井上氏らには起立性低血圧，間嶋氏には循環系の廃用性変化，そして花田氏らにはちょっと珍しい廃用と肩関節痛との関係という多彩なテーマを取り上げることができた．リハビリテーション医学の基本的な問題について，夏休みの間の勉強のお役に立てば幸いである．