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編集後記
上田 敏
pp.1055
発行日 1982年11月10日
Published Date 1982/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104861
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リハビリテーションは他の医療にもまして地域に密着したものでなければならず,そのためには全体としてのリハビリテーションの流れの少なくとも最初と最後は(そして多々の例ではそのすべてが)一般病院で荷われなければならないということは,すでに以前から強調されている.しかしその実現に様々の壁があることもまた事実である.その点の検討を深めるために本号の特集を企画した.
「一般病院におけるリハビリテーション」のテーマでは本誌でも既に特集を行った(1979年,7巻7号)が,その際はいわば病院の種類別のとりあげ方を試みた.今回は角度を変えて疾患別・障害別にとりあげてみた.これはリハビリテーションといえばまず脳卒中,という通念に抗して,より多様なリハ・サービスが一般病院でなされてしかるべきだ(がもちろんそれにも困難性がある)という見地を貫いてみたかったからである.とはいっても脳卒中の比重は圧倒的に大きいので,まず林氏と浜村氏に地域医療の中において一般病院の脳卒中リハ活動を,それぞれ違った角度からとりあげていただいた.ついで間嶋氏に小児のリハ,伊藤氏に脊髄障害のリハを中心に一般病院の役割を論じていただいた.最後の,服部・林両氏と筆者との小座談会は再び脳卒中を中心に一般病院とリハ専門病院との役割分担,その他多様な問題を論じたが,以上の特集全体として,一般病院のリハの経験・現状・諜題が浮きぼりにできたとすれば望外の喜びである.
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