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編集後記
上田 敏
pp.868
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103246
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今年最後の号をお届けする.医学書院の側の事情でこの春に定期発行が遅れたのをとり戻すべく,一年中に2回の合併号となって申訳けないが,「老人のリハビリテーション」の特集は本来2号にわたって掲載の予定のものであったので,かえって読者には便利になったかもしれない.老人問題がますます重要さを増していることは巻頭の森先生の御指摘の通りであり,歴史的にみてリハビリテーションの対象の幅を拡げる大きな契機となったこともいわれる通りであろう
福井先生の脳卒中における問題点と土肥先生の心肺機能の問題点は,リハビリテーション医学の見地からも,老年医学的研究としても優れた総括であり,実際に老人患者に接する上で大きな力となるものと思う.大畑・藤田両先生の骨代謝,猪狩・星両先生の変形性関節症の発生機序はいずれも基礎的な面で必須の知識であり,長谷川・天本両先生の痴呆,長嶋先生の心理的特性は精神・心理面での重要な問題をよく照らし出して下さっており,田中先生の老人福祉のあり方についての提示とあわせ,価値高いものであろう.
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