Japanese
English
実践講座 リハビリテーション医に必要な運動器のMRIの知識(5)
手部疾患のMRI
Application of MRI for the Hand Lesions.
平澤 泰介
1
,
日下 義章
1
,
玉井 和夫
1
,
奥田 良樹
1
,
楠崎 克之
1
Yasusuke Hirasawa
1
,
Yoshiaki KusaKa
1
,
Kazuo Tamai
1
,
Yoshiki Okuda
1
,
Katsuyuki Kusuzaki
1
1京都府立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
手
,
MRI
,
手根管
,
手根骨
,
軟部組織腫瘍
Keyword:
手
,
MRI
,
手根管
,
手根骨
,
軟部組織腫瘍
pp.563-568
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106830
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
MRIは従来の画像診断法と全く異なり,プロトンのNMR信号をもとに画像が構成される.NMR信号の強度,緩和時間はプロトンのおかれた生化学的,組織学的環境により変化する.したがって,関節造影などX線を用いた画像診断法では不可能であった軟部組織内におけるコントラストをMRIでは認め得る.骨組織に関して皮質骨はプロトン密度が低く,negative contrastとして撮像されるが,海綿骨では骨梁間に脂質や水を多量に含有するため,その病変部を信号強度の変化としてとらえることが可能である3),さらに,本法は全く非侵襲的な画像診断法であるため,骨壊死,絞扼性神経障害,滑膜炎,その他腫瘍,外傷など多彩な手部の疾患に対するMRIの病態診断能への期待は大きい1,5,6,8,11).
近年,サーフェイスコイルをはじめとするMRI技術の進歩に伴い,MRIの問題点であった空間分解能は改善され,その結果,手部における小病変の診断も可能となった12).
本稿では我々の経験した手部疾患におけるMRI画像を提示し,現時点におけるその臨床的な有用性に検討を加える.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.