ひと
第一回飯田賞を受賞された 別当有光(べっとう・ありみつ)氏
澤村 誠志
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
pp.470
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104742
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飯田賞は,故飯田卯之吉先生(国立身体障害者リハビリテーションセンター補装具研究所長)の永年にわたる義肢装具の発展につくされた功績をしのんで設立された基金から,毎年義肢装具,リハ工学の分野でとくにすぐれた業績をあげられた1名を表彰する制度である.この第一回の昭和56年度飯田賞の選考委員会で選出され賞をうけられたのが別当有光氏である.
別当有光氏の業績としては,自ら研究開発し,多くの切断者に装着されている骨格構造義足システムの開発と実用化,熱可塑性樹脂によるソケットの製作,日常使用する工具および治具の開発などとともに,PTB装具の負荷量の測定装置とか特発性側彎性に関する動物実験用装置などの開発など,リハ工学面での活動が認められたためである.これでもお分りのように義肢装具の製作技術に対する真摯な姿勢とエンジニアとしての発想など,現在の義肢装具技術者のなかではきわめてユニークで貴重な存在であるとともに,その温厚な人柄と実直なところが,故飯田先生を彷佛させる点,飯田賞に誠にふさわしい人物といえる.
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