特集 子供のリハビリテーション
Ⅴ.子供のリハビリテーション・メモ
視機能の発達障害と早期治療
伊藤 大蔵
1
1神奈川県立こども医療センター眼科
pp.822-823
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106622
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子供の眼の管理は,主として視機能の発達過程を管理することであり,成人の管理と最も異なる点である.一般に,眼科に於けるリハビリテーションとは,失明者や強度の視力障害者の教育や社会生活上の指導を指し,本来の機能改善の意味を持たない.これは,眼球が小さく精密な構造のため一度受けた機能障害を改善させることが困難であり,視機能の発達が早期に完了し,この時期を外すと失われた機能を強化することが出来ないためであろう.そういう意味では小児眼科こそ眼科における吻一のリハビリテーションと言えるかもしれない.
新生児において,眼球の大きさは他の器官と比べてはるかに成人に近く,その構造も黄斑部の形成が3~5カ月遅れることを除けばほぼ完成されている.乳幼児期の視機能は,この状態で黄斑部での固視・輻輳・調節等の諸条件を備え,網膜上に視物を明瞭に結像させることを繰り返しながら発達していく.
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