Japanese
English
研究と報告
男子稼動年齢層における脳卒中後遺症者の問題点
The Problems of Male Stroke Patients on Working Age.
助川 未枝保
1
,
服部 孝道
2
,
福嶋 正和
1
Mishiho Sukegawa
1
,
Takamichi Hattori
2
,
Masakazu Fukushima
1
1千葉市療育センター
2千葉大学医学部神経内科
1Chibashi Ryoiku-Center.
2Department of Neurology, School of Medicine Chiba University.
キーワード:
脳卒中後遺症者
,
男子稼動年齢層
,
通所リハ
Keyword:
脳卒中後遺症者
,
男子稼動年齢層
,
通所リハ
pp.125-129
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106462
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はじめに
脳卒中後遺症者は身体的,経済的,精神的など様々な問題をかかえていることは良く知られているが,これらの問題の重要性については個人差が大きく,後遺症者の残存機能や家庭環境によっても異なる.また,年齢層によっても違いがあり,老年者は残存機能を生かしつつ,有意義な日常生活を送ることが目標になるだろうし,若年者は障害を抱えた上での新しい人生設計が必要となるだろう.今回対象とした男子稼動年齢層は,家庭の経済を支えているという,非常に重要な年齢層である.したがって稼動年齢層の後遺症者については,身体機能の回復のみをめざして機能回復訓練を長期に渡って続けることは必ずしも望ましいことではなく,できるだけ早期に職場復帰するか,職場復帰が長期的な観点から不可能な場合には本人以外の家族が働きに出て収入を確保できるように,後遺症者の家庭内自立が目標とされるべきと考えられる.
これまで,一般病院およびリハ専門病院における退院患者の社会復帰の状況については間嶋1),横山2)に報告されており,職業訓練センターからも職業復帰に関する報告が出されている3).しかし,病院退院時にスムーズに社会復帰できずに,地域福祉センターに通所している脳卒中後遺症者の稼動年齢層の報告はほとんどみられない.そこで著者らは,本来,職場復帰が望ましい稼動年齢層の後遺症者が在宅生活を余儀なくさせられているとき,どのような問題を抱えているか把握するために,千葉市療育センター「ふれあいの家」において半年以上にわたって経過を追えた59歳以下の男子後遺症者について調査したので報告する.
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