連載 公立富岡総合病院・青木孝子―その人と実践・7
結実・新病院の稼動と看護職の副院長
林 千冬
1
1群馬大学医学部保健学科
pp.310-315
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901616
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──念願の新病院へ
「一生に一度,味わえるかどうかの経験」 1990(平成2)年5月,富岡厚生病院は現在の敷地へ新築移転し,公立富岡総合病院となる。長年,旧病院の古い建物,古い設備に耐えてきた職員待望の新病院である。この年のゴールデンウィーク,富岡の職員はこの移転作業のため1日も休みをとらず頑張った。
同じ市内とはいえ,2km離れた敷地への病院あげての大移動。想像するだけでも大変な作業である。移転に先立ち,青木たちは全国の病院を回って移転の経験談を聞き集め,あるいはこれから移転する病院で実際に移転に立ち会わせてもらうなど万全の準備を行なってきた。そして,「引越しは辛いに決まってます。けれど,病院の引越しというのは,一生に一度味わえるか味わえないかです。それを経験できるのはとても幸運なことだというふうに受け取ろう,と皆に言ってきました」と,ここでも青木らしい前向きさで職員を激励した。
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