Japanese
English
特集 脳卒中リハビリテーション・プログラムの再考
特集にあたって
Introduction to the Special Issue.
上田 敏
1
Satoshi Ueda
1
1東京大学医学部付属病院リハビリテーション部
1Central Rehabilitation Service, University of Tokyo Hospital
pp.927
発行日 1990年12月10日
Published Date 1990/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106390
- フリーアクセス
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
脳卒中はわが国のリハビリテーション(以下,リハ)における最大の対象疾患である.対象患者の数が多いだけでなく,学会の演題数でも雑誌論文や単行書の数でも脳卒中は最も高い比率を占めている.これは欧米諸国とはかなり異なった日本の特徴で,例えばアメリカでは演題や論文のテーマとしては脊髄損傷と脳外傷が圧倒的に多く,脳卒中は3~4位にすぎない.ヨーロッパでは骨関節疾患の比重が高い.これはそれぞれの国の研究費支出の動向や種々の歴史的,社会的事情(アメリカの場合にはベトナム戦争による脊損者,脳外傷対策の必要など)に影響されており,必ずしもそれらの国で脳卒中患者がそれほど少ないわけではない.
いずれにせよ,わが国のリハは他の国々より脳卒中の臨床的経験でも研究の面でも,少なくとも量的にはまさっているといえる.そして,質的にも世界に貢献できるような業績が生まれつつあり,将来は脳卒中のリハでは日本が先進国といわれるようになるのも決して夢物語でないと思われる.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.