Japanese
English
特集 四肢多発外傷とリハビリテーション
骨折の合併症と機能回復―特に脛骨顆部骨折について
Associated Injuries and Rehabilitation for Fractures, with Special Reference to Tibial Condylar Fractures.
白井 康正
1
,
中山 義人
1
,
成田 哲也
1
Yasumasa Shirai
1
,
Yoshihito Nakayama
1
,
Tetsuya Narita
1
1日本医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nippon Medical School
キーワード:
脛骨顆部骨折
,
後療法
,
等速性筋力強化訓練
Keyword:
脛骨顆部骨折
,
後療法
,
等速性筋力強化訓練
pp.597-603
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106321
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はじめに
骨折の治療は骨癒合と関節機能の温存を図ることにあり,この2つを同時並行して行えれば理想的である.しかし,骨片が高度に転位あるいは粉砕されている骨折や,関節骨折では早期関節運動が困難で,関節拘縮や筋萎縮などが発生することもしばしば経験するところである.また,昨今の交通事情では,受傷時の外力が大きく,神経・血管損傷や靱帯損傷などの局所合併損傷や臓器損傷を伴う症例が増加している.これらの症例では,合併損傷の治療が優先され,骨折自体の治療は遅れがちである.近年,手術治療の進歩やCPM,Cybex IIに代表されるmachineの普及により,種々の骨折合併損傷を有する症例においても早期後療法,早期社会復帰が可能となってきた.本稿では,関節機能の回復が難しい脛骨顆部骨折を取り上げ,合併損傷の取り扱いと後療法のポイントを中心に述べるとともに,我々が行っている新しい機能療法を紹介する.
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