一頁講座 体幹装具とSeating System・8
筋ジストロフィー症児に対する座位保持具―2.体幹装具,座位保持装具
里宇 明元
1
1国立療養所東埼玉病院リハビリテーション科
pp.637-638
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106112
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前回,DMD児に対する座位保持具の処方は,体幹変形の進行遅延,安息性,ADL機能の賦与,介護の容易化および成長や障害の進行への対応を考慮して行う必要があることを述べた,本稿では,まず従来発表された座位保持具を概観し,次に当施設での処方例を紹介したい.
DMDに対する座位保持具は大きく体幹装具と座位保持装具に分けられる.体幹装具に関してはこれまで各種のタイプが報告されてきた1,2).その原理は,腰椎前彎位をとらせFacet jointをロックさせることによって伸展型の脊柱として,側彎の進行を予防しようとするものである2).しかし,後側彎が進行した例では,装具に充分な固定力,矯正力をもたせようとすると,呼吸機能に影響を与えるだけでなく,ADLを阻害し,安息性や介護の面からも問題となる.従って,体幹装具の適応は,歩行が困難となり車椅子生活に移行したばかりの例に対する予防的装着と考えられる.
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