特集 リハビリテーション医療の問題点
科学としてのリハビリテーション医学
吉村 理
1
1九州労災病院リハビリテーション診療科
pp.625
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105901
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東京オリンピック年に第一回日本リハビリテーション医学会が開催され,本年は第25回である.昨年の第24回日本リハビリテーション医学会のシンポジウムは「リハビリテーションの効果判定」で,本年第25回のシンポジウムは「脳卒中におけるリハビリテーションプログラムの再検討」であり,いずれもリハビリテーションの科学性を論じていると理解している.
医学は病気に関してその原因を解明し,診断においてはカテゴリー化し,その法則を見い出すことによって病気をコントロールし,健康を保持することを目的とする科学であり,科学の発達は人間の幸福につながる.近年の科学の発達とくに周辺科学の発達により,治療医学は飛躍的に進歩すると同時に,現在では障害学であるリハビリテーション医学の効果を疑う人はいないが,科学性となるとまだまだ不完全であり,やってみて効果があったとする「経験」と「カン」が支配的である.
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