Japanese
English
特集 新しい治療法
痙性斜頸に対する包括的リハビリテーションプログラム
Comprehensive Rehabilitation Program for Spasmodic Torticollis.
本田 哲三
1
,
千野 直一
1
Tetsumi Honda
1
,
Naoichi Chino
1
1慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine.
キーワード:
痙性斜頸
,
EMGバイオフィードバック
,
カウンセリング
Keyword:
痙性斜頸
,
EMGバイオフィードバック
,
カウンセリング
pp.5-11
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105750
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はじめに
痙性斜頸は頭頸部の変位を主徴とする神経筋肉系の疾患であり1727年にWepferにより“convulsion particularis”として初めて記載された1).しかし,その原因にかんしてはいまだ心因説2,3)と大脳基底核4,5)や副神経6,7)の障害を主因とする器質因説の両面からの議論がつづいており結論がでるにいたっていない.したがって,治療方法についても精神療法2,3)や種々の投薬8)をはじめ定位脳手術4,5)や近年注目されているmicrovascu lysis6,7)などの観血的治療法にいたるさまざまな手段が試行されているのが現状である.
このような状況のなかで近年,EMGバイオフィードバック療法は本症に対する簡便かつ非侵襲的で有力な治療手段として注目されてきた.本法は1974年Brudnyらにより初めて応用されたが9),筆者らも1976年より導入をこころみ,さらに近年は日常生活指導や心理面への対応もふくんだ包括的治療プログラムを施行し,一定の治療成果をえるにいたっている.本稿ではまず本症を概説したうえで筆者らの立場を述べ,つぎに具体的な治療手技を紹介し,あわせてその効果についても検討をくわえたい.
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