Japanese
English
講座 リハビリテーションと心理(3)
リハビリテーション過程における心理的援助―障害受容を中心として
Physical Rehabilitation: A Psychological Approach.
古牧 節子
1
Setsuko Furumaki
1
1東京都心身障害者福祉センター
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Center for the Physically and Mentally Handicapped.
キーワード:
障害受容
,
障害受容過程
,
洞察力
Keyword:
障害受容
,
障害受容過程
,
洞察力
pp.719-723
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105669
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はじめに
東京都心身障害者福祉センターに身体障害者更生施設が開設されて15年を経過した.この間,リハビリテーション専門病院の充実は目を瞠るものがある.これに伴って当更生施設の窓口を訪れる利用者の上にも,さまざまな変化が認められる.施設開設当初は,PT,OT,ST等の訓練の経験がなく,身辺処理も未自立のまま来所する例も珍しくなかったが,最近はリハビリテーション専門病院を経過し,身辺処理に関しては,障害のレベル相応に改善され,次の段階の援助を求めて来所する例が主流となってきた.
来所する利用者に対し,インテーク段階で障害に対する自己評価,障害に対する取組み,将来の見通し等について自分の考えを聞くことにしているが,明確な考えをもっている人は非常に少ない.この傾向は,15年間殆ど変らずまたリハビリテーション専門病院の退院者も例外ではない.リハビリテーションの援助は,本来障害者自身の主体性を軸に展開されるべき性質のものであるだけに,このような受動的態度の利用者に出合う度,病院における援助のあり方に疑問を感じずにはいられない.
人は障害を負った時,どのような過程を通って新しい人生を切り開いて行くのか.新しい生き方を獲得する際の成功への鍵は何か,等について,星野富弘著“愛・深き淵より”3)と詩画集“風の旅”4)を通して考えてみたい.
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