Japanese
English
特集 神経筋疾患
多系統萎縮症(MSA)の概念
Concept of Multiple System Atrophy.
平山 惠造
1
Keizo Hirayama
1
1千葉大学医学部神経内科
1Department of Neurology, School of Medicine, Chiba University.
キーワード:
多系統萎縮症
,
オリーブ橋小脳萎縮症
,
線条体黒質変性症
,
Shy-Drager症候群
Keyword:
多系統萎縮症
,
オリーブ橋小脳萎縮症
,
線条体黒質変性症
,
Shy-Drager症候群
pp.565-570
発行日 1986年8月10日
Published Date 1986/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105640
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Ⅰ.多系統萎縮症の定義
多系統萎縮症の概念は人によって解釈が異なるが,筆者は,これを提唱したGrahamとOppenheimer1),BannisterとOppenheimer2)のそれに従って,橋小脳系,線条体黒質系ならびに脊髄中間質外側核系の病変を有するオリーブ橋小脳萎縮症,線条体黒質変性症,およびShy-Drager症候群を含む包括的な病理学概念と理解している.人によっては,変性性病変が複数の系systemをおかすものをすべて,多系統萎縮症としてとらえる立場もある.後者の立場に立つと,進行性核上性麻痺,歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症,Friedreich病,Charcot-Marie病や,視床変性症,等々がこの範疇に入り,この概念は際限なく拡大するように思われる.
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