Japanese
English
講座 治療の最近の進歩(4)
パーキンソン病の治療―その最近の進歩
Recent Advance of Treatment of Parkinson's Diseases.
木下 眞男
1
,
岡田 聡
1
Masao Kinoshita
1
,
Satoshi Okada
1
1東邦大学大橋病院内科第Ⅳ
1Department of Internal Medicine Ⅳ, School of Medicne, Toho University Ohashi Hospital.
キーワード:
ドーパミン受容体刺激剤
,
L-threo-Dops
Keyword:
ドーパミン受容体刺激剤
,
L-threo-Dops
pp.291-294
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105578
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はじめに
パーキンソン病は,四肢および躯幹の独特な振戦,筋硬直,運動緩慢などを主症状とする変性疾患で,1817年James Parkinsonにより初めて記載された.Parkinson病の治療は最近の20~30年間に定位脳手術,L-dopa療法の開発と著しく進歩し,特にL-dopaは当初,本病の治療の問題を解決するかとも期待された.しかし,その後L-dopaの副作用や長期投与による効果の減弱が明らかとなり,L-dopa療法はあくまで対症療法にすぎず,本病の原因である進行性変性機構に迫るものではないと認識されるようになった.このL-dopa使用上の問題に対し,最近,L-dopa単独療法以外に,塩酸アマンタジン,末梢脱炭酸酵素阻害剤との併用療法,ドーパミン受容体刺激剤やモノアミン酸化酵素阻害剤などとの併用療法などが登場してきた.また,パーキンソン病に対する定位脳手術は,1950年代から60年代にかけて広く行われた治療法の1つであったが,L-dopaの出現以後一時一旦後退していた.しかしL-dopa療法に種々の問題が生じている現在,再評価を受けてきている.また,パーキンソン病のリハビリテーションも,2次的合併症の予防と抑制を目的としたものが主体であったが,近年,パーキンソン病の運動障害について病態生理学的研究がなされ,運動障害を分析し,そのパターンに応じた治療を行おうとする積極的なリハビリテーションが行われるようになった.
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