Japanese
English
講座 リハビリテーション医に必要な全身管理(3)
呼吸器感染症
Respiratory Infection.
長尾 史博
1
Fumihiro Nagao
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School.
キーワード:
呼吸器感染症
,
化学療法
Keyword:
呼吸器感染症
,
化学療法
pp.219-228
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105349
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,化学療法の進歩により,呼吸器感染症の治療に大きな成果をあげているが,急性のものに比して慢性化したもの,特に基礎疾患をもった症例には十分な成果が得られていないのが現状である.
その背景因子として患者の高齢化(加齢による宿主免疫力の低下,咳嗽反射の効率の低下など),使用抗生剤の影響と思われる病原細菌の耐性化,感染防御能の低下したcompromised hostにおける弱毒細菌による日和見感染(opportunistic infection)などがある.
主な病原微生物としては,細菌,マイコプラズマ,ウイルス,クラミジア,真菌,原虫,寄生虫など多彩であるが,最近では,クラミジア,サイトメガロウイルス,pneumocystic cariniiなども呼吸器感染症の病原として注目されている.
呼吸器感染症の診断と治療上重要な起炎菌の決定,動向,それに対する抗生剤の選択,投与法について述べ,当院リハビリテーション科で経験した頸髄損傷患者の肺炎と脳血栓患者の嚥下性肺炎の症例を呈示し考察を述べる.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.