特集 妊娠時の生理--その適応と異常
Ⅰ.システムの適応
概説
竹内 正七
1
Shoshichi Takeuchi
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.928-931
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205702
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Ⅰ.個体保持と種族保存に対する適応
妊卵を保持し,生育させている状態を妊娠というが,reproductive biologyの面からは,明らかに生理的状態と見なされる。
しかし,個体保持の面から見れば,妊卵の保持ということに対し,個体が適応している限りにおいて,生理的であるといえよう。ところが,適応に異常を伴いやすいところに問題があるわけである。個体保持と種族保存の機能は,生物にとって最も重要な2大機能であるが,この二つの機能がときに相剋を示すことは周知のごとくである。
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