一頁講座 社会リハビリテーション・10
リハビリテーションの行財政
高橋 紘士
1
1社会保障研究所
pp.1049
発行日 1982年11月10日
Published Date 1982/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104859
- 有料閲覧
- 文献概要
今日のリハビリテーションの理念は,「障害をもつ故に人間的生活条件から疎外されている者の全人間的復権を目ざす技術および社会的,政策的対応の総合的体系」(身障審答申,昭和57年3月)と述べられている通り広範かつ総合的なものとなっており,医学,教育,職業,社会,心理にわたるリハビリテーション各分野を横断的に統合したものとして構想されている.このリハビリテーションの全体構想は要員,知識技術,物的諸施設などの資源の開発を通じて,リハビリテーションのサービス体系として現実化しているが,このリハビリテーション資源の開発とサービス供給にあたって,公的な責任にもとづいた公共政策(public policy)として具体化がはかられるのが現代の福祉国家におけるリハビリテーションの存立形態である.
具体的には,リハビリテーションサービスの実施が法定され,それにもとづき厚生省,労働省,文部省などの行政機関によってリハビリテーションに係わる行財政的な措置が所掌され,リハビリテーション資源の調達とサービスの組織化,サービス水準のコントロールがおこなわれている.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.