Japanese
English
研究と報告
片麻痺患者のH波の最大振幅(H)/刺激強度(V)比とアキレス腱反射の比較について
The Ratio of Maximum Amplitude (H) of Hoffmann Wave to Stimulation Voltage (V) in Hemiplegia: Relation between H/V and Achilles Tendon Reflex.
長尾 史博
1
,
明石 謙
1
,
軸屋 和明
2
,
岡本 卓爾
3
,
橋本 礼治
4
Fumihiro Nagao
1
,
Ken Akashi
1
,
Kazuaki Jikuya
2
,
Takuji Okamoto
3
,
Reiji Hashimoto
4
1川崎医科大学リハビリテーション科
2川崎医科大学医学資料館
3岡山大学工学部電子工学科
4岡山理科大学電子理学科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School.
2Kawasaki Medical School.
3School of Engineering, Okayama University.
4Faculty of Science, Okayama University of Science.
キーワード:
H波
,
H/V比
,
アキレス腱反射
Keyword:
H波
,
H/V比
,
アキレス腱反射
pp.883-888
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104644
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はじめに
神経疾患の電気生理学的検査法の内,H波は脊髄前角細胞の興奮性を推定する上で,中枢神経障害の診断上重要な情報が得られると考えられている.また,臨床診断学上用いられるアキレス腱反射は,その評価を主観的判断で行っており,まだ確定的な客観的な評価法はない.中枢神経性の麻痺としてよく見る痙縮の評価法については,数多くの報告があり,中でも電気生理学的な方法では,H/M比,H波回復曲線,H波反復誘発筋電図等7)がその代表的なものと考えられる.
これらH波を用いる検査では,刺激度は皮膚インピーダンスにより大きな影響を受ける事から絶対値では表現しにくいと言われてきた.しかしながら,1975年山本等16,17)は粘着テープを着脱するstripping法により皮膚インピーダンスを小さくし,しかもほぼ一定にしうると報告した.このstripping法を用い,皮膚インピーダンスをほぼ一定にする事により,H波の最大振幅(H)とその時の刺激電圧(V)を測定し,最大振幅(H)/刺激電圧(V)比が脊髄前角細胞の興奮性の指標になりうるかどうかを片麻痺患者について検査した.更に,橋本等の報告したアキレス腱反射定量法,すなわち,電気刺激で誘発し,3次元加速度計,マイクロプロセッサーを用い,結果の処理を行う方法によリアキレス腱反射の定量化を試み,その結果とH/V比の関係についても検討した.
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