書評
老人のリハビリテーション<改訂第2版>福井圀彦著 七沢病院副院長
原田 政美
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.892
発行日 1980年11月10日
Published Date 1980/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104423
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リハビリテーションには,常にリスクが伴う.もしリスクが伴わないならば,リハには医学としての側面が不必要であるし,理学療法士のような医系専門職員も必要としない.またリハは,回復困難な障害を相手にするものであって「麻痺をなおす」というような夢物語とは違うのである.ところが最近,訓練で麻痺をなおすのがリハであるとか,しろうとでもリハはできるというリスク無視論など,リハ医学の科学性を疑わせるような議論を耳にする.このあたりで,本当のリハとは何であるかを明記した著書の刊行が待望される.
福井圀彦博士の「老人のリハビリテーション」は,5年前に初版されたものであるが,今回大きく改訂された第2版が刊行されたので一読してみると,上記の期待に見事に応えた名著であるとの感を深くする.
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