書評
—著者 福井圀彦(七沢病院副院長)—「老人のリハビリテーション」 改訂第2版
原田 政美
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.784
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204625
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リハビリテーションには,常にリスクが伴う。もしリスクが伴わないならば,リハには医学としての側面が不必要であるし,理学療法士のような医系専門職員も必要としない。またリハは,回復困難な障害を相手にするものであつて「麻痺をなおす」というような夢物語とは違うのである。ところが最近,訓練で麻痺をなおすのがリハであるとか,しろうとでもリハはできるというリスク無視論など,リハ医学の科学性を疑わせるような議論を耳にする。このあたりで,本当のリハとは何であるかを明記した著書の刊行が待望される。
福井圀彦博士の「考人のリハビリテーション」は,5年前に初版されたものであるが,今回大きく改訂された第2版が刊行されたので一読してみると,上記の期待に見事に応えた名著であるとの感を深くする。
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