Japanese
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講座
脳卒中(10)―脳卒中と脳血管撮影(1)
Cerebrovascular Disease (10) Angiography on Cerebrovascular Disease.
石川 正恒
1
,
半田 肇
1
Masatsune Ishikawa
1
,
Hajime Handa
1
1京都大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery. Kyoto University School of Medicine.
キーワード:
Cerebrovascular disease
,
Angiography
Keyword:
Cerebrovascular disease
,
Angiography
pp.833-841
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104410
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はじめに
脳卒中の診断はCTスキャンの導入によって正確かつ容易に行われるようになり,今やCTスキャンは脳卒中患者をあつかう神経内科,脳神経外科の医師のみならず,脳卒中患者のリハビリテーションにたずされる人々にとっても必要不可欠なものとなってきている.CTは脳卒中の鑑別診断に有用であるが,血管病変の形態学的把握や血行動態の変化を把握するためには脳血管撮影が必要である.すなわち,CTスキャンと脳血管撮影の両者によって脳卒中の正確な診断と治療法の選択が可能となる.血管病変の把握という脳血管撮影の本来の目的に沿って,Seldinger法による選択的造影が多く行われるようになり,連続撮影に加えて,拡大撮影,立体撮影,断層撮影が行われるようになってきている.また,画像処理の一手法として,骨陰影を消去して,血管陰影のみを観察するSubtraction法もしばしば用いられる.今回のシリーズでは前編に脳血管撮影の適応,手技,および脳血管撮影の正常像と判読に必要な脳血管の解剖について述べ,後編で脳卒中をきたす各種疾患の血管撮影所見について述べる.なお,紙面の都合上,脳血管の解剖については簡略にとどめるので,成書1~3)を参照されたい.
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