特集 社会リハビリテーション
障害者と結婚
長谷川 茂代
1
1千葉県身体障害者結婚相談所
pp.935-937
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104241
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Ⅰ.身体障害者福祉における結婚の重要性
1.結婚に対する関心
身体障害者(以下,障害者)更生の目標は,ADLの自立と収入の確保,すなわち職業の自立におかれ,リハビリテーション(以下,リハビリ)の体系が組まれてきた.しかし最近,西欧の障害者福祉の先進国では,障害者の福祉とは,自分に合った職業をもち,快適な家に住み,良き結婚の相手に恵まれる,この三者を得てはじめて達成されるといわれ,この考え方は,わが国にも漸次浸透してきている.今までは,結婚を高嶺の花と考えていた障害者も,結婚は基本的人権だから,自分の問題としてその実現を真剣に考えるようになってきた.ある人人は,結婚権は固有の人権だから,収入がなくても体が不自由でも,そのために結婚させないのは人権の侵害だ,本人同士が希望していれば,国は住宅と生活費を確保して,この結婚権を保障せよとの運動をしている.この考え方には賛否の声もあるが,障害者の中には,こうした考え方を持つ者が次第に増え,結婚に対する関心が高まりつつある.
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