Japanese
English
特集 社会リハビリテーション
障害者の所得保障
Income Security of the Handicapped.
調 一興
1
Kazuoki Shirabe
1
1社会福祉法人東京コロニー
1TOCOLO Industrial Rehabilitation Center for the Handicapped.
キーワード:
所得保障
,
年金
Keyword:
所得保障
,
年金
pp.929-934
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104240
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はじめに
稼得能力の低い障害者にとって所得保障の問題はきわめて切実な問題であるにもかかわらず,障害者自身を含めて,障害者のおかれているきびしい現実に接している施設職員や,リハビリテーション関係者からの具体的な意見や議論をきくことが比較的すくない.
わが国のこれまでの障害者対策が,その目標を職業更生におき,職業更生の見込みのない稼動能力の低い障害者を対象からはずしてきたことや,わが国の所得保障制度が分立しており,その仕組みが複雑で解りにくいこと,また福祉対策とは別の制度・体系になっていること等が原因しているようである.
しかし,わが国でも中・重度障害者対策が本格的政策課題となってきている今日,リハビリテーションの方法論や施設の在り方論だけでは,それ自身が空転し,有効な手段として発展しえなくなっているという状況にいたっている.
私は,自分が職業リハビリテーションの分野にいて,授産施設の経営におわれながら,日々そのことを痛感しており,所得保障の裏付けのない障害者授産などは,結果として障害者に苦痛を強いるだけのものに落ちこんでしまうことを心配している.
専門家でもない私が,あえて所得保障問題の本稿をひきうけたのもこのような理由からである.内容については自信があるとはいえないので,関係者のご批判を乞う次第である.
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