特集 視覚障害のリハビリテーション
視覚障害者の結婚と遺伝相談
田辺 歌子
1
,
赤松 恒彦
1
1順天堂大学眼科
pp.231
発行日 1975年3月10日
Published Date 1975/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103296
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視覚障害者にとってもまた家族にとっても結婚をとりまく諸問題には大きな制限が加えられている.そのために本人も家族もなんの因果でこのように社会的にスポイルされ苦しまねばならないのか?! と嘆かざるを得ないのが現実である.一方,昨今健康権とでもいうような権利意識が全般にめざめてきた.この高まりは“障害者にも結婚する自由と子供をうみ育てることの出来る自由を!!”の叫びとなってきている.社会はこの声を確実にうけとめ,障害者が障害をもたないものと同じような権利を回復できるよう方向づけすることがすなわちリハビリテーションの目標であり基礎とならねばならない.したがって遺伝相談の方向も障害者の出現を出来る限り減少させるという前提のもとに,しかも障害者の権利を制限しないという方向に向けられねばならない.相談にあたり,このまったく相反するような方向をいかに融合させるかが鍵となる.
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