リハビリテーション医のための循環器入門（6）―心筋疾患，とくに特発性心筋症

Cardiology for Rehabilitation Doctor (6): Idiopathic and Secondary Cardiomyopathy.

はじめに

　一般に心筋疾患というのは，他の心血管疾患（たとえば冠動脈疾患，高血圧，弁膜症，心のう炎，先天性心疾患など）に伴ってあらわれるものをのぞき，心筋それ自体が第一義的におかされるものをいう，しかし，これらの心筋疾患の中でも，全く原因のわからないものと，原因として心筋炎，神経筋疾患，結合織病，アミロイドーシス，サルコイドーシスあるいは種々の代謝性疾患が存在し，その結果として心筋疾患がもたらされる場合とがある．前者を特発性心筋症，後者を続発性（二次性）心筋症という（表1）．

　本章ではまず前者について述べ，次で後者のうちの主なものについてふれたいと思う．