一頁講座 リハビリテーション用語集・5
grasp lateral pinch pulp pinch tip pinch
鎌倉 矩子
1
1東京都老人総合研究所
pp.851
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104074
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grasp
これに対応する訳語はとくに統一されておらず,「把握」「握り」などが通常用いられている.広義には,片手の中に物を促える動作もしくは促えている状態一般を指し,このばあいは握り,掴み,摘みの全てを含む概念となる.同一の著者がhook grasp,fist grasp,cylindrical grasp,lateral prehension,tip prehensionと使い分けているところをみると,狭義のgraspは,手掌の関与や多指の参加など固定力の大きな揚合を指すものと思われる.しかしthumb-fingers graspという語を見かけることもあって断定はし難い.上羽(1970)によれば,power graspが握り,precision graspが掴みである(但し,英語文献ではpower grip,precision gripの方が多い).
prehension,gripは,運動学分野ではほとんどgraspと同じように使われている.用法には個人差があり,三者の間にはっきりした違いを認めるのは困難である.
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