資料
統計でみるヨーロッパ諸国のリハビリテーション・障害者福祉(4)―イギリス(中)
二木 立
1
,
上田 敏
2
1代々木病院リハビリテーション診療科
2東大病院リハビリテーション部
pp.853-861
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104075
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅱ.医療制度と医学的リハビリテーション
1.国民保健サービス(NHS)の機構改革
英国では,第二次大戦直後の1948年7月5日,ビヴァリッジ報告(Beveridge Report,1942)54)に基づく総合的社会保障政策の一環として,国民保健サービス(National Health Service,以下NHSと略す)が発足した.これは,他の西欧諸国にさきがけて,全国民に公費で無料で医療を提供するものであり,しかも予防からリハビリテーションまでを包括していた.
NHSはそれぞれ,管轄,運営,財政の異なる①病院および専門医サービス部門,②一般医(家庭医)サービス部門,③地方当局による各種保健サービス部門の3つの機構(NHSの3本柱)から成り立っていた.当初はこの三者の有機的運営が期待されていたが,やがて相互間のミゾが拡がったため,いくつかの試案を経て,NHS再組織法(1973年)28)が公布され,1974年4月から機構上の大幅な改革が行なわれた註1).
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.